日本人である僕がブラジルを語る上で忘れてはいけないものは、
日本人移民の存在だと思います。
正直に言って、
日本にいたころ僕は一度だって海外に住む日本人移民の存在を意識することはなかったです。
学校の授業で習っていたので移民の存在は知っていたし、
アメリカにいたころも日系アメリカ人にも出会ったことはあったし、
でも僕にとって移民の方々は、もうそこの国の人なんだとどこかで思っていました。
でもこうやって南米を訪ねてみて、
活き活きと生活されている日本人移民の方々にお会いして、
僕の考えは180度変わりました。
サンパウロに着いて真っ先に訪れた場所はブラジル移民博物館でした。
そしてその数時間後には文化会館にある日本移民博物館を訪れました。
こうして少しではあるかもしれないけど、
自分の中で自分とブラジル(日系の方々)との距離が縮まった気がしました。
理解したとか、分かり切ったような口を聞くつもりはまったくなく、
今までどこかまったく他人のように感じていた日本人移民の方々の存在を強く意識するようになりました。
サンパウロで日本人移民の方々に出会えたことで、
前よりもずっと、“自分が日本人である”ということについて考えるようになりました。
どこにいようともたくさんの方々が日本人という誇りを持って、
頑張っておられることに感動をおぼえました。
僕は基本的に国や人種というものに固執しない考え方が好きだけど、
純粋な愛国心も素敵だと思います。